白いぼうし(第1時)  1997年 6月
                   
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 新しい単元に入ることを伝える。
  単元名,題名,作者名をノ−トに書かせる。

説明1 今日から新しい単元に入ります。                  
指示1 黒板に単元名,題名,作者名を書きます。ノ−ト見開き2ペ−ジに書き写
   していきます。先生と同じスピ−ドで書いていきます。         
   (早めに書き終わった児童数名に読ませる。)             
                                     
指示1 全員で読みます。                         
指示2 題名の下に小さな丸を10個書きなさい。              
    1回読み終わるたびに,丸をぬりつぶしていきなさい。        

 範読をする。

指示3 では,先生が今から読んでいきます。みなさんは次のところに線を引きな
   がら,聞いてください。                       
  
  
  
  
  
  

1 心に残ったところ(例えば,「いいなあ」「よかったなあ」と思った
 ところ)                            
2 不思議に思ったところ                     
3 意味がよく分からなかったところや言葉             





                                     
指示4 読み終わってから,「どんな話?」と聞きますから,一言で言えるように
   しておきなさい。                          

 各自黙読させる。

指示5 次は,この白いぼうしを自分で読んでもらいます。          
    今度は,声に出さないで,目で読んでもらいます。          
指示6 時間を5分とします。                       
    5分で何回読めるか挑戦しなさい。                 
    後で,「何回とここまで」と言ってもらいます。           
    読む場所は,どこでもいいです。では,始め!            

 どんな話だったかを一言で言わせる。

指示5 一言でいって,どんな話だったかを言ってもらいます。        
   
   
   

誰々がどうした話。誰々がどうして,どうなった話。        


   という言い方で言ってもらいます。                  

  ◇ 全員に指名する。(10名)
    すぐに発表させるか,ノ−トに書かせてから発表させるか。

 「だいたいこんな話だった。」ということを,児童が頭の中でイメ−ジできれ
ばよい。                                
 この発表の中で,次のものが出てくるであろう。             




1 主要な登場人物(中心人物,対役など)              
2 主要となる題材(中心となる出来事)               



 各自黙読させる。

指示5 次は,この白いぼうしを自分で読んでもらいます。          
    今度は,声に出さないで,目で読んでもらいます。          
指示6 時間を5分とします。                       
    5分で何回読めるか挑戦しなさい。                 
    後で,「何回とここまで」と言ってもらいます。           
    読む場所は,どこでもいいです。では,始め!            

 ◇ 黙読終了後,どれだけ読めたかを全員に聞く。

 心に残ったことや不思議に思ったことを発表させる。

指示6 次に心に残ったところを発表してもらいます。            
    では,2ペ−ジずついきます。P52と53である人は起立!     

  ◇ その後,2ペ−ジずつ発表させる。

指示7 次に不思議に思ったことを発表してもらいます。           

  ◇ 同様に2ペ−ジずつ発表させる。

白いぼうし(第2時)   1997年 6月

1 登場人物を指摘させる。(その当否を検討させる。)            
2 中心人物と対役を指摘させる。(その当否を検討させる。)         

 登場人物を検討する。
  まず,登場人物をノ−トに箇条書きで書き出すよう指示した。

指示1 今日は,まずこの話に誰々が出てくるか,登場人物をノ−トに書き出して
   いってもらいます。次のように番号を打って,@誰々,A誰々と箇条書きで
   書いていきます。1行おきに書いていきます。時間は,2分です。始め! 

板 書
《登場人物》                              
 @                                  
 A                                  
 B                                  
 C                                  

  2分後作業を終了させ,列指名で発表させた。次のものが挙げられた。

@ 松井さん                               
A お客のしんし                             
B 男の子(たけの たけお)                       
C 女の子                                
D 男の子のお母さん                           
E 太ったおまわりさん                          
F もんしろちょう                            
G 白いちょう(20も30も)                      

  その都度,書いてある人数を挙手させて確認し,その人数を板書した。
  この中で,「太ったおまわりさん」を書いた児童が少なかった。そこで,指摘した児
 童にどこで出てくるかその説明をもとめた。すると,P56の次の文を指摘した。

 小さなぼうしをつかんで,ため息をついている松井さんの横を,太ったおまわり
さんが,じろじろ見ながら通りすぎました。                 

  これについて,他の児童に賛成かどうか聞いてみた。全員が「賛成」であった。
  しかし,ここで「もう一歩つっこんで」みようと考えた。本当に登場人物だというこ
 とを示す文であるのかその根拠を聞こうと思ったのである。次のように「ゆさぶって」
 発言を求めた。

発問1 たった一文しか書いていないのに,登場人物に入れていいのですか?  
   「たった一文でも,登場人物だ」ということが説明できる人は起立!   

  児童から出た意見は,次の通り。

・ 先生は前,「何かをしていたり,何かしゃべっていたり,何かをやっている様
 子が少しでも書いてあれば,登場人物に入れる。」と言った。        
  ここの場合も,短いけど,おまわりさんが何をしているところが書いてあるか
 ら登場人物に入れていいと思う。                     
・ おまわりさんが「じろじろ見ながら通りすぎました」というように何かをして
 いる様子が書かれているから。                      

  次に問題なったのは,「もんしろちょう」を登場人物に入れていいかどうかである。
  子どもたちから出た意見は次の通り。

《入れていけない派》                           
 ・ 前,先生が「動物でも,人間のように書かれている場合は登場人物に入れて
  いい。」と言った。                          
   でも,この「もんしろちょう」の場合は,P55にも書かれているように,
  人間のようには書かれていない。ただのコンチュウのように書かれている。 
《入れていい派》                             
 ・ P55の場合はそうだけど,P62の「白いちょう」の場合は,「よかった
  ね。」「よかったよ。」「よかったね。」「よかったよ。」と書いてあって,
  人間ようにしゃべっている。                      
   だから,P62のところの「ちょう」は登場人物に入れていいと思う。  
《その他》                                
 ・ おかっぱのかわいい女の子は,P55の「もんしろちょう」が変身した姿だ
  と思う。                               
   だから,「女の子はもんしろちょうの変身した姿」だから,「女の子(もん
  しろちょう)」というふうにひとつにまとめればいいと思う。       

  この話合いにより,「女の子(もんしろうちょう?)」というふうにひとつにまとめ
 た。
3 中心人物と対役を検討させる。
  まず次の発問をした。

発問2 この登場人物の中で,主人公は誰でしょう。             

  これはすぐに分かる。一人を指名をした。「松井さん」という声に,他の児童も賛成
 の挙手をした。そして,登場人物の番号の上に中心人物の印として「◎」付けさせた。
  次に対役についてである。

説明1 では,話の中で松井さんの次に大事な登場人物は誰でしょう。     
指示3 そう思う登場人物の番号の上に○の印を付けなさい。時間は1分です。 
    印を付けた人は,そう言える理由を考えおきなさい。         

  子どもたちからは次の3通り。それぞれの人数を挙手で確認した。

@ お客のしんし                             

A 女の子                                
B 男の子(たけの たけお)                       

  そして,そう考えた理由を人数の少ない方から聞いていった。以下の通りである。

   《お客のしんし》
    ● 「これは,レモンのにおいですか。」と,話の1番最初で語っているし,松
    井さんといろいろとしゃべっていてから。
   《男の子》
    ● 題名が「白いぼうし」である。白いぼうしは男の子のものだ。
      松井さんは,その男の子の白いぼうしを車から降りて拾おうとして,ちょう
     を逃がしてしまった。
      このように,白いぼうしが話の中で大事だから,その持ち主である男の子が
     松井さんの次に大事だと思う。
   《女の子》
    ● 女の子の正体がもんしろうちょうだと考えれば,女の子ともんしろうちょう
     は,話の中でたくさん登場してくる。
      たくさん登場してくる分,大事だと思う。

   次にそれぞれの考えを検討させた。

発問3 今の意見を聞いて,相手に対して言いたいことはありませんか。   
指示  ここはおかしいとか,反対意見がある人は,起立して自由に言いなさい
    先生は,指名しません。                     

   《「お客のしんし」に対する反対意見》
    ● お客のしんしは,場面1だけでしか登場にしてこない。後はもう出てこない
     だから,そう大事でないと思う。
    ● 話の1番最初でしゃべっているからといって,どうして大事だと言えるんで
     すか。
    ● さっき,お客のしんしはたくさんしゃべっているから大事だ言ったけど,女
     の子はそれ以上にたくさん登場してきます。P55とP58とP59とP60
     とP62とP63に出てきます。6ペ−ジも出てきます。
      だから,大事だと思います。
   《その他の意見》
    ● 題名が「白いぼうし」だから,その白いぼうしの持ち主である男の子が大事
     だと思います。

    再度挙手させると,ほとんどが「女の子」に手を挙げた。